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宮崎県の畜産《畜産王国?》 ( 2015/07/01 )

昨年、養豚農家の方々と懇談する機会があった。それまで漠然と宮崎県は畜産王国と思っていたが懇談の中で宮崎で生産された約150万頭の肉豚の約60万頭が鹿児島県等の県外でと畜されいると聞かされた。理由は1頭あたり、鹿児島県等の方が3000円ぐらい高くで売れると言うショッキングな話であった。自分の勉強不足に愕然とし、宮崎産和牛についてデーターを調べてみるとこれまた愕然とした。子牛生産は確かに鹿児島県と同様に日本でトップクラス、しかし、肉用牛は肉豚と同様、その40%強の肉用牛が県外へ出荷されている。つまり、畜産が宮崎県への経済・総生産(GDP)に寄与できる付加価値の一番高い部分が県外へ流出していると言う事である。この事も含め、日本の肉用牛の現状と課題を(宮崎県の現状)グラフを利用して提起したい。

※「宮崎牛」とは

1.宮崎県内で出生し、最長飼育地が宮崎県で、且つ黒毛和種で日本食肉格付協会の格付が4等級以上で血糖が明らかなもの

2.「宮崎牛」は特許庁の地域団体商標制度において、宮崎県経済農業協同組合連合会が取得して権利者になっている。したがって、生産者等が(1)の要件を満たしても経済連の許可なしに「宮崎牛」として販売することは禁じられている。

宮崎の畜産1
畜産2
*H21をピークに全国的に繁殖牛・肥育牛が減少している。
畜産3
*全国的に小規模・大規模飼養農家とも飼養頭数は減少している。

畜産4
*全国的に繁殖牛・肥育牛ともに飼養戸数が減少している。
畜産5
*飼養頭数の減少は1~9頭の小規模飼養農家が多い。
畜産6
*本県の場合は口蹄疫の関係で全国的な 傾向と相違するけど傾向としては減少している。現在の子牛価格の高騰で県内肥育農家の採算は厳しい状況下にあり、肥育牛の生産拡大の要因は考えられない。
畜産7
*肉用牛飼養戸数は全体的に減少。特に繁殖飼養農家が減少している。県内でも飼養戸数の増加要因は考えられない。更なる行政の新規就農者の対策が必要。

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*繁殖牛農家の高齢化が著しい。新規就農の対策が 急務。

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*今後1~9頭規模の飼養農家の高齢化が飼養頭数の減少の主たる要因になる。

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*70代以上の畜産農家で14,562頭を飼育し、19%をしめている。今の状況では10年後は14,562頭はほぼ消滅する。

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*1~4頭の飼養頭数の繁殖農家が総戸数の42%をしめている。その年齢構成をみると⇒次頁

畜産12

*1~4頭の飼養戸数は全体で2793戸の内70歳代以上が44%を占め、戸数減少の大きな要因となっている。

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*県内肉用子牛生産頭数のH22は口蹄疫の関係で減少、口蹄疫を契機に廃業した農家(約30%)、再開した農家の関係で減少している。H26は途中集計の為、頭数減になっている。

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*端的に産出額とは農家が販売した販売額の合計額。食料品製造出荷額はその農産物を工場等で加工された出荷額の合計額。農業分野における地方創生とは農産物に如何に付加価値を付けるかと言うことでもある。本県農業の特徴は上図でも農業産出額›食料品出荷額の構造に成っている。

畜産15
*前グラフでは農業産出額と食料品製造出荷額で対比したがここでは農業産出額の内、肉用牛・豚の産出額で比較すると同じ様に肉用牛・豚産出額›肉・豚製品出荷額の構造に成っている。因みに肉・豚産出額の付加価値≈16%、肉・豚製品出荷額の付加価値≈25%。本県畜産が他県と比較し本県経済における貢献度が低いと言う事が大きな課題である。

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*雑駁にみても宮崎で生産された年間約8万頭の成牛の約40%が県外に出荷され、黒毛和種、和牛、神戸ビーフ等の銘柄で販売されていると考える。(神戸牛では商標登録されているので販売出来ない)

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*県内、肉用牛の出荷頭数85千頭、全国3位。県内でのと畜数は県外移入約11千頭を含めて、県内でのと畜数は59千頭で全国6位。付加価値の高い分野が県外へ流出している⇒本県畜産の課題。

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*鹿児島県の肉用牛出荷頭数106千頭、全国2位。県外移入頭数を含め、と畜数は104千頭、全国2位。鹿児島県の畜産は鹿児島県の経済に十分に貢献している。宮崎の畜産(和牛)、流通改革なくして繁栄なし。

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*肉豚の流通状況も肉用牛と同じ。肉豚1頭当たり2~3千円、高く売れるらしい。理由は?

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*①本県農業産出額は全国7位。農業産出額の付加価値額は全国平均32%~高い数値である。②本県の肉用牛・豚産出額(3位)、鹿児島(1位) ③15頁参照 ④農業産出額全国7位の宮崎県が食料品製造品出荷額では全国28位!~宮崎県の農業は付加価値が低い! ⑤ 付加価値%(⑤/④)宮崎県26% ・鹿児島県27% ・佐賀県37% ・熊本県34% ・山形県(33%) ・岐阜県(37%) ・三重県(35%)である。農業の将来も大変きびしい。宮崎県も付加価値を上げる農業を目指さなければならない。 ⑥食品関連事業所数の少ない事も付加価値減少の要因の一つ。 ⑦他県に比べて食品関連事業所が少ない事は当然従業者数、現金給与額の減少~付加価値の減少の要因でもある。

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*県は第七次長期計画で農業生産額を100億円増加した場合の経済波及効果等を試算しているが農業従事者の高齢化、新規就農者が増加しない現状では農業生産額を100億円伸ばすのは非常にきびしい。

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*農業産出額3036億円・全国7位。その中で上位10品目で1415億円(47%)になる。この上位10品目の生産額を伸ばすとしても農業を取り巻く現状を考えると確実な方策は見当たらない。上位10品目の中でブロイラーは生産、加工まで県内で処理され付加価値の高い分野である。県でもフードビジネスを重要政策と掲げているがきゅうり、ピーマン等の加工は容易ではない。現状で確実に農業の県内経済への波及効果を上げようとすれば確実性の高いのは畜産である。県は第7次農業長期計画で農業産出額100億円分を県内食品製造業で製造すれば380億円の経済波及効果と約2000人の雇用がきたいできると試算している。この数式に牛・豚の県外出荷分を当てはめると県内経済波及効果は1995億円、雇用創出105百人となる。(試算数値を低くしているので現状は効果は増大する)   県内産業の中でこの様に数値的に経済波及効果を試算できる(埋蔵経済波及効果」確定分野は存在しないと考える。

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*国も繁殖牛の増加目標を掲げているが現在の国の政策では達成できないと考える。

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*中国も食文化の変化で牛肉を食する様になった。

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*中国での牛肉の輸入量が急激に増加している。日本での米・豪の牛肉も今後高騰すると予見できる。

畜産27*中国の飼料輸入量は日本の20倍。畜産の課題は飼料の高騰も大きな要因である。畜産28

*本県畜産の課題を記述してきた。本県畜産が現状で推移するとすれば、子牛価格は当分高騰が持続する。本県で子牛価格が高騰するから繁殖農家が増加するかと言えばその要因は見いだせない。現状では高齢者が廃業し、その分中規模以上の畜産農家が飼養頭数をふやす現状も見いだせない。このまま推移すれば本県は確実に「子牛生産県」になる。それでは畜産の本県経済に及ぼす経済波及効果は低下し、本県農業の衰退にもつながる。日本の農業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりである。この課題を克服する為には行政、関係団体、生産者、議会等が課題を共有し、改善、改革を進めれば、真の畜産王国を構築することが可能と信じる。私はこの畜産問題を県議としてのライフワークとして取り組んでいきます。先ずは畜産問題を共有する仲間!も増やしたいと考えています。是非ご意見等をお待ちしています。

宮崎県議会議員  中野ひろあき

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シーガイア住民訴訟証人喚問調書

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